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ダイエット

脂肪吸引で後悔しないためのメリット・デメリット9つ

脂肪吸引で後悔しないためのメリット・デメリット9つ

脂肪吸引は短期間で身体のラインを整えられる施術です。しかし、その魅力の反面デメリットやリスクも当然存在します。本記事では、脂肪吸引のメリットとデメリットを詳しく解説します。脂肪吸引を検討している方が疑問に思うことの多い「よくある質問」もまとめました。脂肪吸引を受けてから「イメージと違った」などと後悔しないためにも、ぜひ最後までご覧ください。

このコラムの監修者
辻井 鴻
辻井 鴻
一般社団法人 美星会
アステリアクリニック院長
【医師の経歴】
2020年 北海道大学医学部卒業
2022年 北海道内の病院にて初期臨床研修を終了
2023年10月 アステリアクリニック札幌院 院長就任
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脂肪吸引のメリット

脂肪吸引は、長期的に見てもメリットが多いとされています。以下で詳しく解説します。

脂肪除去により見た目の変化が期待できる

脂肪吸引はボディラインを整え、体形の印象を変えられる施術です。脂肪溶解注射などと異なり、どのように減らすか調節しやすいのも特徴といえます。
顔や二の腕、お腹、太もも、お尻など、気になる部位ごとに施術を受けられるため、ピンポイントでの部分痩せも可能です。全身のバランスを整えながら、理想的な体型に近付けることができます。
さらに、脂肪吸引に使用する管(カニューレ)は直径約2~6mmと細く、多くの場合5mm程度の傷で済みます。
ただし脂肪組織は軽いため、脂肪吸引前後の体重はあまり変化がないことが多いです。脂肪を除去することですっきりした見た目に近付け、フェイスラインやくびれなどにメリハリを付けたいといった方に向いています。

即効性・長期的な効果が期待できる

脂肪吸引は、運動や食事制限といった一般的なダイエットのように比べて短期間で痩身効果を得やすい施術です。多くの場合、施術のおよそ1か月後にはむくみが落ち着き、見た目の変化を感じ始めます。
また、脂肪吸引の施術そのものは一度で終わるのも大きなメリットです(※)。カウンセリングや、術後のケアのための通院は必要ですが、多くの美容施術のように施術を何度も繰り返して受けることはありません。できるだけ早く痩身効果を実感したい方にとっては、大きなメリットといえるでしょう。
脂肪吸引の効果は長期的に持続しやすいという魅力もあります。人間が太るのは、脂肪細胞に脂肪が溜めこまれて大きくなるためです。脂肪吸引ではこの脂肪細胞そのものを減らすため、大きくなるための「材料」が減るという意味で、太りにくくなります。

※全身の脂肪吸引を受ける場合など、広範に及ぶ施術の場合は2回に分ける場合もあります。

リバウンドしにくい

脂肪吸引は運動や食事制限といったダイエットと比べて、リバウンドしにくい点もメリットです。一般的なダイエットでは、大きくなってしまった脂肪細胞のサイズを小さくすることしかできません。脂肪吸引では脂肪細胞の数を減らせるため、脂肪が蓄えられにくくなるのです。
ただし、完全にリバウンドしないという意味ではありません。極端な食生活の乱れなどがあれば、体に残っている脂肪細胞が肥大化してリバウンドにいたる可能性もあります。
よりリバウンドしにくくするためには、脂肪吸引後も適度な運動や食事管理が必要なことは忘れないようにしてください。

脂肪吸引のデメリット

ここまで説明したように、脂肪吸引は魅力的な医療ダイエットの一つですが、一方で以下のようなデメリットも存在します。デメリットを理解しないまま施術を受けると、予期せぬリスクや後悔につながる可能性があります。

  • 費用が高い
  • 施術後のダウンタイムがある
  • 体重の変化は少ない
  • 内臓脂肪は吸引できない
  • 神経損傷などのリスクがある
  • しわや皮膚のたるみが生じる可能性がある

以下で解説するデメリットをしっかり確認したうえで、脂肪吸引を受けるかどうかの判断に役立てください。

費用が高い

脂肪吸引の大きなデメリットの一つは、他の瘦身治療と比較して費用が高いことです。部位によって変動しますが、1箇所あたりの相場は約20〜30万円です。
脂肪の量が多い場合などは、約50万円になることもあります。お腹や脚など脂肪が多くかつ広範囲の場合や、顔の脂肪吸引などでデザイン料が入る場合は、高額になりやすい傾向にあります。
ただし、長期的に見れば必ずしも高額とはいえません。単純比較はできませんが、たとえば、月何万とかかるエステやパーソナルジムに通い続ければ、1年で脂肪吸引と同等の費用が必要になります。

施術後のダウンタイムがある

脂肪吸引後には以下のようなダウンタイムが生じることがあります。

  • 約1週間:痛み
  • 約2週間:しびれ・内出血
  • 約1か月:むくみ
  • 約2か月:色素沈着
  • 約3か月:かゆみ
  • 約6か月:拘縮(皮膚のこわばり・凹凸)

術後3日間は筋肉痛のような痛みが現れ、数日で引いていきます。多くの場合、生活はできますが、不便や眠気・痛みによる不調などを感じるため無理をしないようにすることが大切です。
部位によってもダウンタイムの現れ方は異なります。たとえば顔の脂肪吸引の場合、腫れや内出血が目立ちやすいため、人目を気にする方は日常生活に支障が出る可能性があります。太ももの脂肪吸引では、歩いたり座ったりするといった筋肉を使う動作で痛みを感じやすく、歩き回るような仕事をしている方は2~3日休みを取る必要があるでしょう。
ダウンタイム中はむくみや腫れといった症状が現れやすいため、見た目の変化を実感できるまでには時間を要します。術後3か月は様子を見る必要があり、6か月が経過して次第に落ち着いていきます。
なお、ダウンタイムの症状や期間には、部位や体調などさまざまな要素が影響するため個人差があります。あくまでも一般的な目安として参考にしてください。

体重への影響は少ない

記事の前半で解説したように、脂肪吸引を受けても、体重が劇的に減少する効果はあまり期待できません。

脂肪の密度は約0.9g/cm³で水よりも軽く、たくさん脂肪を取っても思ったほどの重さはありません。そのため、脂肪吸引を受けても体重には反映されにくいのです。
また、安全上のリスクを考慮すると、一度に除去できる脂肪の量は体重の約5%までとされています。たとえば、体重が50kgの人の場合は約2.5kg程度までしか脂肪を除去できません。
したがって体重の減少を主な目的とする方には、脂肪吸引は適しているとはいえません。
しかし、筋肉を付けると体重が増えても見た目は引き締まるのと同様、「体重が減る=理想の見た目になる」というわけではありません。部分的なボディラインが気になる方は、選択肢の一つとして脂肪吸引を検討する価値があるでしょう。

内臓脂肪は吸引できない

脂肪吸引で対応できるのは皮膚の下にある皮下脂肪のみです。内臓脂肪は吸引できません。内臓脂肪はその名の通り内臓の周りについているため、管を挿入する際に組織を傷つけてしまうリスクがあり、施術できません。
内臓脂肪が肥満の原因となっている場合は、脂肪吸引を受けても期待するほどの痩身効果は得られないでしょう。施術を受ける前に、自分の脂肪の付き方を理解し、脂肪吸引が向いているのかどうか、医師ともよく相談する必要があります。
内臓脂肪の割合が多い方や、内臓脂肪を落としたいと考えている方は、食事管理や運動といった日々の生活習慣から見直してみてください。

外科手術特有のリスクがある

脂肪吸引は外科手術の一つであるため、以下のようなリスクが考えられます。

  • 感染症・塞栓症などの後遺症
  • 合併症による死亡
  • 出血・色素沈着・腫れ・あざなど
  • 人的事故
  • 麻酔事故
  • 気道の圧迫

とくに顔の脂肪吸引では、神経損傷のリスクがあり、表情の不自然な変化や感覚異常を引き起こす可能性がゼロではありません。二の腕や太ももの脂肪吸引では、血行が滞ることによる色素沈着のリスクも高いです。部位・状態によっても懸念されるリスクは異なるため、施術前に医師の説明をよく聞き、不安や疑問を解決するようにしましょう。
脂肪吸引は外科手術の中では、危険性の高いものではありません。経験豊富な医師が在籍しているかどうか、アフターケアが充実しているかどうかなどをしっかりと確認して検討してください。

不均一な脂肪除去によりしわやたるみが生じる可能性がある

脂肪吸引後、肌表面に凹凸が生じる「表面不整」が現れることがあります。脂肪細胞を均等に吸引できないことや脂肪を取り過ぎてしまうことで発生します。
脂肪吸引に不慣れな医師が脂肪吸引を行ったり、無理に大量の脂肪を除去したりすると、施術後に凹凸として残りやすくなります。
また身体の脂肪は、他の部位とのバランスを見て取る必要があります。一部のみ大量に除去すれば、その脂肪が支えていた「周囲の脂肪」が落ちてきて、しわやたるみにつながる恐れもあるのです。
ただし術後3~6か月の間は、ダメージを受けた身体が治っていく過程で拘縮として凹凸が現れる場合があります。拘縮は、適切に除去・ケアできていれば自然に治るため、凹凸が「不均一な除去」によるものかどうかは半年を目安に判断する必要があります。
こうした技術的なリスクは、どうしても医師に依存します。脂肪吸引の実績がある医師が在籍しているかどうか、よく確認しましょう。

脂肪吸引のよくある質問

脂肪吸引の効果は何年持つ?リバウンドする可能性は?

脂肪吸引による痩身効果は、適切な生活習慣を維持すれば半永久的に持続するとされています。これまでに解説してきたように、脂肪吸引が脂肪細胞自体を除去する施術であるためです。しかし、脂肪吸引で整えた見た目を、何もせずにそっくりそのまま維持することはできません。
顔や太ももは、加齢によるたるみが原因でボディラインが変わってしまうこともあります。加齢が進むと肌の弾力や筋肉量が落ち、今までと条件が変わることで、脂肪をなくした部分やたるみが目立つようになる可能性があります。
脂肪吸引によって減少した脂肪細胞は、過剰な肥満状態にならない限り増えません。リバウンドのリスクは低いです。しかし生活習慣によっては、残っている脂肪細胞が肥大したり、脂肪吸引を施していない他の部位に脂肪がついたりする可能性があります。
体型維持のためには、脂肪吸引を受けた後も適度な食事管理と運動、メンテナンスが重要です。

脂肪吸引は痛い?

脂肪吸引の痛みは個人差があります。
施術中は麻酔により痛みをほとんど感じませんが、麻酔の種類や方法によっては不快感や恐怖を覚える場合があります。多くのクリニックでは静脈麻酔を用い、寝ている間に終わるような感覚で施術を受けられます。
痛みを感じるのは主に術後です。施術後約3日間は、筋肉痛のような痛みを生じることがあります。元の体形との乖離が大きいと、痛みやすい傾向にあります。約1週間で日常生活に支障のないレベルまで回復するケースが多いですが、軽い痛みや違和感は約1ヶ月以上続くこともあります。

脂肪吸引に向いている部位・向いていない部位は?

脂肪吸引に向いているのは、皮下脂肪の割合が多い部位です。

  • 二の腕
  • お腹
  • 太もも
  • ふくらはぎ(皮下脂肪が多い場合)

上記の部位は一般的なダイエットだけでは落としにくく、脂肪がつきやすい分、脂肪吸引に適しているといえます。
一方、脂肪吸引に向いていない部位は、内臓脂肪がついたお腹や、神経や血管が近い首、背中などです。骨の占める割合が多いすね、脂肪の量が少ない手足の先や額なども、脂肪吸引には適しません。

脂肪吸引の費用の相場はいくらぐらい?

脂肪吸引の費用の相場は、施術部位や範囲などによって大きく異なります。一般的な相場は以下の通りです。

部位費用の相場
顔※約18〜30万円
二の腕約20〜40万円
お腹約20〜30万円
太もも約20〜30万円
※頬のみなど、1パーツあたりの相場です

同じ部位でもクリニックによって費用が異なる場合が多いので、まずは最寄りのクリニックで費用を確認してみてください。

まとめ

脂肪吸引は運動や食事制限による見た目の変化に比べて即効性が高く、長期的な効果が期待できる痩身治療です。部分痩せが可能で、リバウンドしにくいという医療施術ならではのメリットがあります。
一方で、コストの高さやダウンタイム、外科手術特有のリスクなど、考慮すべきデメリットも存在します。
施術後の凹凸やたるみといったリスクをできるだけ抑えるためにも、信頼できる医師を見つけることが大切です。脂肪吸引で後悔しないためにも、まずは気軽にカウンセリングを受けてみてください。

このコラムの監修者
辻井 鴻
辻井 鴻
一般社団法人 美星会
アステリアクリニック院長
【医師の経歴】
2020年 北海道大学医学部卒業
2022年 北海道内の病院にて初期臨床研修を終了
2023年10月 アステリアクリニック札幌院 院長就任