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ダイエット

脂肪冷却のデメリットとは?危険性やリスクについて解説!

脂肪冷却のデメリットとは?危険性やリスクについて解説!

脂肪冷却は、リバウンドしにくいといわれている医療ダイエットの一つです。厳しい食事制限や運動を行うことなく痩せられるため、人気を集めています。しかし、脂肪冷却は身体の組織を凍らせるため、大きなデメリットがあるのではないか不安に思う方もいることでしょう。本記事では、脂肪冷却のデメリットを6つ紹介します。脂肪冷却のリスクについても解説しているので、しっかりと理解したうえで施術にのぞみたい方はぜひ参考にご覧ください。

このコラムの監修者
辻井 鴻
辻井 鴻
一般社団法人 美星会
アステリアクリニック院長
【医師の経歴】
2020年 北海道大学医学部卒業
2022年 北海道内の病院にて初期臨床研修を終了
2023年10月 アステリアクリニック札幌院 院長就任
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脂肪冷却について

脂肪冷却とは、機械を使用して低温にし、脂肪を凍らせることで脂肪細胞を除去する施術です。脂肪は、他の細胞と比べると低温に弱い性質があります。脂肪のついた部位を機械で吸引して、冷却することで脂肪を凍らせます。凍った脂肪細胞は破壊され、代謝で排出されていくので自然な速度で痩せることが可能です。
脂肪冷却はメスや針を使わずに、痩せたい部位に機械をつけるだけでボディラインの改善が期待できます。

脂肪冷却で痩せるメカニズム

身体の組織を「凍らせる」と言われると、すべて凍ってしまって肌や重要な組織にダメージがあるのではないかと心配になるかもしれません。しかし脂肪冷却は「クライオ・リポライシス(Cryolipolysis)理論」に基づいた仕組みにより、「脂肪細胞のみ」を主なターゲットとして凍結して破壊できます。
クライオ・リポライシス理論とは、脂肪を多く含む組織は、水分を多く含む周辺の組織よりも凍りやすいという性質から、凍結を利用して脂肪を減少させる治療技術のことです。
皮下に存在する血管や神経などを作る細胞に多く含まれる水分は0℃で凍るのに対し、脂肪細胞に主に含まれる脂肪が凍る温度は4℃です。脂肪冷却はこの温度差を利用して、他の組織へのダメージを抑えて脂肪細胞のみを対象として凍らせることができます。
凍結された脂肪細胞はアポトーシス(細胞のプログラム死)を起こして、代謝によって除去されます。脂肪を溜められる脂肪細胞の数を減らすため、施術部位の脂肪がつきにくくなり、長期的にみてもリバウンドしにくいです。

一回の施術で減少する脂肪細胞の割合

1回の施術で、施術部位の約20%(最大27%)にあたる脂肪を除去できます。ただし脂肪細胞を除去できる量は、体質や施術部位の状態によっても変わるため個人差があり、人によっては「1回では思ったより変わらなかった」と感じることもあります。
脂肪冷却で代表的な「クールスカルプティング」という機械は、厚生労働省によって脂肪減少効果が認められていますが、その他の機械ではこうした承認はありません。したがって脂肪の減少量は、機械の違いによっても左右される可能性があります。
また代謝によって徐々に脂肪が排出されるため、施術を1回受けた直後では変化を感じにくい傾向にあります。よりわかりやすい見た目の変化のためには、複数回の施術が必要です。二の腕や太もも、お腹周りなど、脂肪の量がとくに多い部位では複数回に分けて何度か繰り返して施術を行うことが多いです。(厚労省承認機であるクールスカルプティングRエリートでは、完全に一致する部位の施術は基本的に2回までとされています。)
体重60kgの人が体脂肪率を1%落とすには、1日60分のウォーキングが30日間必要だといわれています。通常のダイエットでは特定部分の脂肪に限定して痩せることはできないので、数字だけの単純な比較はできませんが、数回の施術で済むと考えれば脂肪冷却は手軽な手段ともいえるでしょう。

脂肪冷却の効果があらわれるまでの道のり

脂肪冷却は徐々に効果を発揮する施術です。ここでは、どれくらいの期間で効果を実感できるのか、何回施術を受ければよいのかを解説します。

脂肪冷却の効果を実感するまでの期間

脂肪冷却の効果を実感できるまでの期間は、約1~3ヶ月です。排出される速さにも個人差があります。
凍結によって破壊された脂肪細胞は、少しずつ時間をかけて排出されるため、即効性は期待できません。施術を受けてから効果を実感できるまでにはタイムラグがあります。医師と相談しながら、適切な間隔で複数回の施術を受けることが大切です。

脂肪冷却の施術回数を部位別に解説

脂肪冷却の施術回数は、施術を受ける部位の性質や、脂肪の付き方、機械によって異なります。たとえばクールスカルプティングでは、機械を装着して吸引することを1サイクル(1カップ)と呼んでいます。施術エリアが大きくなればなるほど、機械を装着する回数が増えるため、必要なサイクル数も多くなります。まったく同じ箇所への施術は2回、つまり2周までを推奨されています。

脂肪冷却の施術を受ける部位目安となる装着回数(サイクル)
あご下2~4回
二の腕3~5回
胸(男性のみ)3~5回
背中3~5回
ブラファット(下着からはみ出る部分)4~8回
お腹(上部)3~5回
お腹(中央)2~4回
お腹(下部)3~5回
脇腹(片側)4~6回
お尻の下(バナナロール)2~4回
太もも(片側:外・内)4~8回

脂肪冷却で施術するあご下は脂肪の量が少ないため、比較的少ない回数(サイクル)で済む傾向にあります。
二の腕やお腹、わき腹は人気の高い部位で、脂肪を減らしたい場所が限定的であれば少ない回数で済むこともあります。ブラファットや太ももの脂肪は厚みがあるため、多くの回数が必要になります。
また、同じ部位でもどの部分をより細く見せたいのかによって機械の当て方も変わります。このため「何回やれば必ず痩せられる」といったラインがありません。脂肪冷却の施術を受けるときは、理想の仕上がりをしっかりと医師に伝え、適切な回数がどの程度になりそうか判断してもらう必要があります。

施術間隔の重要性とその理由

脂肪冷却の施術間隔は、同じ部位では1~3ヶ月に1回の頻度が推奨されています。「早く効果を実感したいのでもっと短い間隔で施術を受けたい」という方も多いことでしょう。しかし、完全に一致する部位に施術する場合は、効果を確認しながら進めていきましょう。
先述のとおり脂肪細胞の排出には1~3ヶ月かかるため、短期間で施術を受けようとすると、死んだ脂肪細胞が残った状態で施術することになります。前回の施術で破壊されたが、排出されていない脂肪細胞も冷却してしまうので、他の脂肪細胞を効率よく凍結できません。
効率よく脂肪細胞を破壊するためにも、医師の指示に従って適切な間隔で施術を受けることが大切です。

脂肪冷却のメリットとその効果

脂肪冷却の施術には、さまざまなメリットや魅力があります。ここでは、4つのメリットを詳しく見ていきましょう。

ダウンタイムの短さが魅力

脂肪冷却は身体への負担が比較的小さく、ダウンタイムが短い点も大きな魅力です。個人差はありますが、冷却時の赤みは数時間ほどで落ち着くことがほとんどです(※)。施術直後から通常の生活を送ることができるため、仕事などでまとまった休みをつくれない人でも受けやすいでしょう。
たとえば同じように脂肪を減らせる施術である脂肪吸引は、皮膚を切って細い管(カニューレ)を挿入し、脂肪を物理的に取り出します。除去できる脂肪の量は多いですが、その分ある程度のダウンタイムが生じます。3日ほどは筋肉痛のような痛みを覚え、むくみなどが落ち着くまで1ヶ月程度様子を見る必要があります。
※後述するように、内出血などが生じることもあります

部分痩せに特化した施術

脂肪冷却は、一般的なダイエットでは困難な部分痩せができます。食事制限や運動は、全身の脂肪を均等に落とすことしかできません。脂肪冷却なら痩せたい部位に機械を当てて冷却することで、狙った脂肪をピンポイントで除去できます。
いくら体重を落としても二の腕が痩せない、太もものお肉だけ落ちないというような方でも、脂肪冷却なら簡単に部分痩せを目指せます。また太ももやお腹は痩せたいけれど、胸のボリュームは減らしたくないという場合にも相性がよいです。

結果が持続しやすい理由

脂肪冷却は一度施術すれば、その体形を維持しやすい施術だといわれています。食事制限や運動を行うと痩せられるのは、脂肪細胞の大きさが小さくできるためです。どれだけ痩せても脂肪細胞の数そのものは変わりません。
しかし脂肪冷却を行うと、脂肪細胞の数自体を減らせます。脂肪を溜め込む細胞が減っているので、少し体重が増えたくらいなら、施術部位の脂肪量に大きな変化は生じません。このことから、脂肪冷却はリバウンドしにくく、効果が持続しやすいといわれています。

自然な仕上がりの魅力

脂肪冷却は自然に仕上がります。徐々に見た目が変わる施術のため、急激な変化がありません。1回の施術の変化がわかりにくいということは、周りから違和感を抱かれる可能性が低いということでもあります。
脂肪を減らしすぎてしまう失敗も少ないでしょう。まるで少しずつ体重を落としていったときと同じように、自然な部分痩せが期待できます。

脂肪冷却のデメリットとリスク

脂肪冷却はたしかに身体への負担が小さい施術ではありますが、デメリットやリスクもあります。しっかり確認したうえで検討しましょう。

効果があらわれるまでに時間がかかる

脂肪冷却は、効果があらわれるまで1~3ヶ月ほどの期間を要します。1回の施術で感じる変化もゆるやかなため、いますぐに痩せたい方にとっては物足りないと感じることもあるでしょう。
「いつまでに痩せたい」と明確に目標が決まっている場合は、その旨も医師に伝え、計画的に施術を受けることが大切です。

全身痩せには適さない

脂肪冷却は部分痩せに適した施術です。全体的に痩せたり、体重を減らしたりするのには向いていません。
脂肪冷却は1部位あたり35~60分前後の時間がかかる施術です。全身の施術をするとなると、1周するだけでも何時間、何回と施術が必要になり、とても現実的とはいえません。
部分痩せではなく全身痩せが目的の場合は、食生活を見直したり運動習慣を作ったりすることが大切です。内服薬などを使用した治療も検討するとよいでしょう。

内臓脂肪には効果が出ない

脂肪冷却が効果を発揮するのは、皮下脂肪のみです。内蔵脂肪を減らす効果はありません。
皮下脂肪とは、皮膚の下にある皮下組織に蓄積している脂肪のことです。体脂肪の多くは皮下脂肪が占めています。増えすぎると肥満の原因になりますが、体温調節やエネルギーの貯蔵に必要なものです。
内蔵脂肪は、胃や腸などの内蔵周りに蓄積した脂肪のことを指します。皮下脂肪よりも身体の内部にあり、臓器が近くにあるため、脂肪冷却機や超音波、外科的な手術などで脂肪細胞を破壊。除去することはできません。内服薬の助けを借りたり、食事制限、運動などで地道に減らす必要があります。

施術費用が高い

脂肪冷却は複数回の施術を受けることから、どうしても費用がかさんでしまいます。1部位1回あたりの施術費用は約3~10万円です。3箇所の施術を1回ずつ受けると9~30万円ほど、他の部位も受けるなら、さらに予算が必要です。
しかしながら、脂肪吸引も1部位1回あたりおよそ20~40万前後の費用がかかります。部位や回数によっては、脂肪冷却の方がやや安く受けられるケースもあるでしょう。
他にも部分痩せが可能な施術には、脂肪溶解注射もあります。脂肪溶解注射は1ccあたり0.3~1万円かかるため、1回の施術で5~10cc使用する場合2.5~10万円ほどになることが多いです。脂肪溶解注射も複数回の施術が必要ですが、脂肪冷却よりピンポイントな範囲で脂肪を減らすことが得意です。

個人差が大きい

脂肪冷却の効果は、個人差があります。1回の施術で約20%の脂肪を除去できるといわれていますが、満足のいく仕上がりになる方もいれば、それほど変化を実感できない人もいます。体質の差もあるため、効果のあらわれ方を完璧に想定することは難しいですが、カウンセリングで脂肪の付き方や量を見てもらい、どのような仕上がりになるのかよく確認しておくことが大切です。

複数回の施術が必要

繰り返しになりますが、脂肪冷却は徐々に脂肪を破壊して排出していく施術です。どの部位の施術を受けるのか、どれくらい脂肪が蓄積しているのかにもよりますが、変化を実感するためには2~3回ほどの施術が必要だといわれています。
とはいえ、多くの医療ダイエットは複数回の通院が必要です。1回の施術で完了することがほとんどである脂肪吸引でも、全身など広範な施術が必要な場合は2回に分けることがあります。

脂肪冷却に関連するリスクを考慮すべき3つのポイント

脂肪冷却で甚大な被害が起きるのはまれです。しかし、後悔しないためにもリスクをしっかりと理解しておくことは大切です。ここからは脂肪冷却におけるリスクを解説します。

一時的な副作用が起こる可能性がある

脂肪冷却で生じる副作用は少ない方です。しかし、一時的に次のような副作用が起こることがあります。

  • 赤み
  • 内出血
  • 腫れ
  • 鈍痛
  • 感覚麻痺

早い場合は2~3日程度で落ち着くので心配はいりません。しかし、人によっては1ヶ月ほど副作用が続くこともあります。
ごくまれに凍傷や色素沈着、血管迷走神経性反射などが起こることも報告されています。施術中に異変を感じた場合は、すぐに医師や看護師へ相談してください。

まれな合併症が発生することもある

脂肪が増大する逆説的脂肪過形成という合併症も報告されています。脂肪冷却で破壊したはずの脂肪細胞がかえって大きく硬くなってしまう症状です。発生確率は0.033~1%と報告されています。日本での報告例はまだなく、まれな例ではありますが、起きる可能性はゼロではありません。
また、局所的に血液を循環させる機能が弱いところがある方(糖尿病をお持ちの方など)は、凍傷になる可能性もあります。
こうした脂肪冷却のリスクを抑えるためには、万が一の際に対応できる医療機関で施術を受けるようにし、自身の体質や既往歴などをしっかりと伝え、禁忌事項などもよく理解することが大切です。

脂肪溶解注射や脂肪吸引、どんな人に向いている?

脂肪冷却は、次のような方に向いています。

  • 自然に部分痩せしたい方
  • 皮下脂肪が多い方

脂肪冷却は痛みがほとんどない施術でもあります。施術開始直後は吸引によって引っ張られる痛み・違和感や、冷たさによる痛みなどはありますが、切開のような強い痛みはありません。また皮下脂肪を取り除くのを得意としているため、指でつまめる脂肪が多い方にも向いています。
部分痩せができる施術には、他に脂肪溶解注射や脂肪吸引などもあります。脂肪溶解注射は次のような方に向いている施術です。

  • 顔などの細かい範囲の部分痩せをしたい方
  • ダウンタイムが短い施術を受けたい方
  • 細かくデザインを指定して脂肪を減らしたい方

施術範囲が広くなると注入量が増えて費用が高くなってしまうため、どちらかというと細かいパーツの部分痩せに向いています。人によっては、ほぼダウンタイムなしで過ごすことが可能です。注射する部位や注入量を調節することで、デザインを意識した部分痩せもできます。
脂肪吸引は、次のような方に向いている施術です。

  • 1回の施術でしっかりと効果を実感したい方
  • ダウンタイムのための休みを確保できる方

その場で脂肪を吸引して排出するため、即効性が期待できます。ただし、腫れや内出血などが出やすく、むくみも生じるため、本来の変化を感じられるのは1ヶ月後からです。費用は高いですが、複雑な体のラインやバランスの調整も可能な施術です。

まとめ

脂肪冷却は、脂肪細胞を凍結して破壊し、排出を促すことで部分痩せを目指せます。徐々に脂肪を排出するので即効性はありませんが、ごく自然に見た目をスッキリさせることが可能です。ダウンタイムも短いので、休みを取りにくい方でも受けやすい施術だといえるでしょう。
アステリアクリニックでは、お客様のご希望を伺ったうえで、総合的に判断してご提案しております。脂肪冷却のデメリットが心配で、受けるかどうか迷っている方も、ぜひご相談ください。脂肪溶解注射やハイフなどの医療ダイエットメニューもご用意しておりますので、ご希望や体質に合わせて柔軟に対応できます。脂肪冷却が気になる方は、アステリアクリニックのカウンセリングまでご相談ください。

このコラムの監修者
辻井 鴻
辻井 鴻
一般社団法人 美星会
アステリアクリニック院長
【医師の経歴】
2020年 北海道大学医学部卒業
2022年 北海道内の病院にて初期臨床研修を終了
2023年10月 アステリアクリニック札幌院 院長就任