毛嚢炎が起こる原因は脱毛や自己処理?対処法と予防法まで徹底解説

毛嚢炎が起こる原因は脱毛や自己処理?対処法と予防法まで徹底解説

脱毛後、「脱毛後にニキビのようなものができてしまった」「脱毛を受けてから肌の調子が悪い」といった肌トラブルでお悩みの方もいるのではないでしょうか。脱毛後の肌荒れやぶつぶつは、毛嚢炎かもしれません。
こちらの記事では、脱毛が引き起こす毛嚢炎について以下の内容を解説します。

  • 毛嚢炎とニキビの違い
  • 毛嚢炎ができる原因
  • 毛嚢炎ができたときの正しい対処法
  • 毛嚢炎を予防する方法
  • 毛嚢炎に関するよくある質問

毛嚢炎には正しい対処法や、予防するための方法があります。脱毛後の肌トラブルでお困りの場合は、ぜひチェックしてください。

毛嚢炎とは?

毛嚢炎とは、毛根の周囲に起こる炎症のことです。症状としては、皮膚に赤い発疹ができる・黄色や白い膿が溜まるなどがあります。毛穴がある場所にはどこにでもできる可能性があり、1つだけできたり多発したりとさまざまです。
毛嚢炎の原因は、表皮ブドウ球菌や黄色ブドウ球菌といわれる常在菌です。常在菌は通常、肌のバリア機能を維持するために働いていますが、肌の表面に傷がつくと毛穴に入り込んだ菌が増殖して、炎症を起こすことがあります。
そのほか、不摂生な生活も毛嚢炎のリスクが高まります。食生活の乱れや睡眠不足によって免疫力が低下すると、毛嚢炎を発症することがあります。
医療脱毛の施術後に毛嚢炎が起こるのは、レーザー照射で発毛組織を破壊することが、一時的に皮膚のバリア機能も低下させるためです。バリア機能が低下した毛穴に表皮ブドウ球菌や黄色ブドウ球菌が入り込み繁殖することで、毛嚢炎を発症します。
毛嚢炎は脱毛の施術後、数日経ってから発症するケースがほとんどです。特に初回から3回目までの施術に慣れていない時期になりやすいといわれています。

ニキビとの違い

毛嚢炎はニキビに似ていますが、ニキビではありません。毛嚢炎とニキビでは、炎症を引き起こす原因菌が異なるからです。
ニキビはアクネ菌が増殖し、毛包で炎症を起こすことにより発症します。ニキビの症状は芯がありかゆみを伴いますが、毛嚢炎は芯がなく、かゆいなどの症状も少ないことが特徴です。
そのほか毛嚢炎と間違いやすい皮膚の炎症には、マラセチア毛包炎やカンジダ性毛包炎という疾患があります。どれも原因菌が異なるため、治療薬もさまざまです。自己判断せずに、正しい診断は皮膚科を受診しましょう。

炎症が強いものと強くないものがある

毛嚢炎には、炎症が強いものと強くないものがあります。炎症が強くなりやすいケースは、男性のヒゲ脱毛後です。深剃りなどでカミソリ負けしてしまった場合にも、強い症状が出やすくなります。炎症が強い毛嚢炎の場合は、赤くヒリヒリした痛みを感じることが特徴的で、表皮だけでなく毛穴の奥の毛包にもダメージが及んでいる状態です。
一方で女性が発症しやすい毛嚢炎は、炎症が強くなりにくいという特徴があります。赤みが少なく、肌にプツプツとした発疹が起きる程度の症状です。痛みやかゆみを伴うことも、ほとんどありません。

毛嚢炎ができやすい部位

毛嚢炎ができやすい部位は、顔・首の後ろ・ひじ・ひざ・背中・太もも・お尻・デリケートゾーンなどの皮膚が薄い部位です。
刺激を受けたときに傷つきやすい部位でもあります。特にデリケートゾーンは高温多湿な環境で菌が繁殖しやすく、毛嚢炎を引き起こすリスクが高い部位です。
もし脱毛の施術後に、かゆみや痛みのない発疹ができた場合は、毛嚢炎の可能性が考えられます。

毛嚢炎ができる原因は主に脱毛や自己処理

毛嚢炎が発症するきっかけは、主に脱毛や自己処理です。ここでは毛嚢炎がどのようなときにできてしまうのか、詳しい原因として以下の3つを解説します。

  • 脱毛により肌の免疫力が低下した
  • 過度な自己処理をおこなった
  • 不衛生なシェーバーを利用した

脱毛により肌の免疫力が低下した

医療脱毛によるレーザー照射は、肌の免疫力を低下させます。健康な状態では常在菌が肌をバリアしてくれますが、脱毛によるレーザー照射やフラッシュを浴びた後は、常在菌のバリア機能が一時的に低下。バリア機能が低下した毛穴は、いつもは大人しい常在菌が悪さをしやすい状態となっています。そのためダメージを受けた毛包で常在菌が繁殖し、結果として、毛嚢炎を引き起こしてしまうのです。

過度な自己処理をおこなった

自己処理は、肌に負担がかかります。正しい方法でおこなっても、肌へのダメージは避けられません。特に高い頻度で自己処理を繰り返せば、肌は強いダメージを受けます。毎日のように髭剃りをする男性が毛嚢炎になりやすいのはそのためです。
肌を傷つけやすい自己処理方法として、カミソリや除毛クリームを思い浮かべる方は多いかもしれませんが、毛抜きによる自己処理も、毛嚢炎を発症させる原因となります。毛抜きによる自己処理は、毛を抜く際にまわりの皮膚にもダメージを与えてしまうからです。
特に埋没毛を毛抜きで抜く際には注意が必要です。埋没毛を無理やり引き抜くことで、血が出ることも少なくありません。そこから菌が入ると、毛嚢炎を引き起こす可能性が高くなります。

不衛生なシェーバーを利用した

不衛生なシェーバーを使えば、毛嚢炎を発症するリスクは高まります。毛嚢炎の原因は、毛穴に菌が入り込むことです。長くお風呂などに放置された不衛生なシェーバーには、菌が繁殖しています。シェーバーを介して毛穴に菌が入り込むリスクがあるため、長期間使用していなかったシェーバーを使う場合は、消毒してから使用するようにしましょう。

脱毛後に毛嚢炎ができたときの正しい対処法

脱毛後に毛嚢炎ができてしまった場合、どのように対処すると良いのでしょうか。ここでは、以下3つの対処法を紹介します。

  • 状態が悪くなければ自然に治るのを待つ
  • 悪化したら必ず医師に相談する
  • 自己判断をしない

状態が悪くなければ自然に治るのを待つ

脱毛後にできた毛嚢炎は、状態が悪くなければ1~2週間程度で自然に治ります。
ニキビのように見える毛嚢炎を潰したくなる方もいると思いますが、決して潰してはいけません。毛嚢炎を潰すことで、症状が改善しないだけでなく、傷跡が残ったり患部が膿んだりする原因となるからです。
毛嚢炎を潰したとしても、原因菌である黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌は毛包に残っています。極力触れないようにして自然治癒を待ちましょう。

悪化したら必ず医師に相談する

脱毛後に毛嚢炎が悪化した場合は、迷わず医師に相談してください。毛嚢炎が悪化すると、炎症範囲が広がったり、患部が腫れて熱を持ったりします。跡を残さないためにも、的確な診断と適切な治療薬が必要です。
当院では、医療脱毛の施術後に毛嚢炎のような肌トラブルが起きた場合、肌をケアするための薬を無料でご提供しています。当院のように、肌トラブルに対応している脱毛サロン・クリニックは多いため、脱毛をおこなった施術先に一度相談してみると良いでしょう。

自己判断をしない

毛嚢炎のように見えても、実際は毛嚢炎ではない可能性があります。毛嚢炎の治療として適切でない市販薬の使用は治療効果がないだけでなく、場合によっては症状が悪化してしまうことも。自己判断で市販薬を使用することは危険です。早く治すためにも、専門の医師や薬局の薬剤師、施術先の医師などに相談することをおすすめします。

脱毛前後に毛嚢炎を予防する4つの方法

毛嚢炎を予防するためには、どのようなケアが必要なのでしょうか。脱毛前後に取り入れたい4つの方法について解説します。

  • 肌を清潔に保つ
  • 肌を洗いすぎない
  • 自己処理は電動シェーバーでおこなう
  • 生活リズムを整える

肌を清潔に保つ

脱毛直後の肌はダメージを負っています。表面的には問題ないように見えますが、バリア機能は低下しており、肌トラブルが起きやすい状態です。菌が繁殖して毛嚢炎を発症させないよう、脱毛直後はいつも以上に肌を清潔に保ちましょう。
特に汗をかきやすい場所やデリケートゾーンなどの蒸れやすい場所は、菌が繁殖しやすくなります。汗をキレイなタオルで優しく拭きとるなど、不衛生にならないよう気を付けましょう。

肌を洗いすぎない

脱毛直後は、肌の洗い方にも注意が必要です。肌が非常に敏感になっているため、洗いすぎないように注意してください。ボディーソープやスポンジの使用もおすすめしません。
もし使う場合は肌にやさしいマイルドタイプを選び、しっかり泡立てたうえで、肌を擦らないように洗いましょう。

自己処理は電動シェーバーでおこなう

ムダ毛を自己処理するときは、電気シェーバーの使用がおすすめです。カミソリ・毛抜き・除毛クリームは皮膚を傷つける可能性があります。一方電気シェーバーは肌への負担が少ない器具です。毛の流れに沿うようにお手入れをすることで、毛嚢炎の予防を期待できます。

生活リズムを整える

正しい生活リズムは肌のターンオーバーを整え、肌のバリア機能を正常に保ってくれます。良質な睡眠を確保する、栄養バランスの良い食事をとるなど、生活習慣の改善を心がけてください。ストレスを溜め込まないことも、脱毛後にできる毛嚢炎の対策として効果的です。

毛嚢炎に関するその他のよくある質問

ここからは脱毛後にできた毛嚢炎に関する、よくある質問を紹介していきます。「もしかしたら自分の毛嚢炎は治らないのでは…?」と心配している方は、一度目を通しておくと良いでしょう。

毛嚢炎ができてからどのくらいで治りますか?

脱毛の施術によってできた毛嚢炎は、通常1週間程度で自然治癒します。毛嚢炎ができた場合は患部を清潔に保ち、極力触らないようにしましょう。
毛嚢炎が広範囲にできていたり膿や熱を持っていたりする場合は、毛嚢炎が悪化している可能性があります。早く治すためには、医療機関を受診し、適切な治療を受けることが必要です。

毛嚢炎は潰してもいいですか?

脱毛後にできた毛嚢炎は、潰さないようにしてください。潰したところで早く治るわけではありません。潰すことで悪化し、跡として残る可能性も考えられます。
ニキビのように見える毛嚢炎ですが、ニキビと違い芯がありません。通常の毛嚢炎であれば1週間程度で快方に向かいます。なるべく患部を触らないようにし、自然に治るのを待ちましょう。

毛嚢炎が繰り返しできるときはどうすればいいですか?

皮膚科を受診してください。毛嚢炎を予防する方法を取り入れたとしても、脱毛後に毛嚢炎を繰り返す場合は、毛嚢炎ではない別の疾患を発症している可能性があります。
皮膚の炎症に対する原因菌が異なれば治療法も変わるため、症状が軽くても医療機関を受診しましょう。悪化しないように、正しい診断と適切な治療を受けてください。

毛嚢炎を早く治すにはどうすればいいですか?

脱毛後にできた毛嚢炎の治し方は、原因菌に適した薬を使用することです。1週間程度で自然に治ることの多い毛嚢炎ですが、顔などの目立つ場所は早く治したいもの。
多くの脱毛サロン・クリニックでも肌トラブルへの対応をおこなっていますので、脱毛後の肌に異変があれば、迷わず相談してみてください。
当院では毛嚢炎などの皮膚トラブルが起きた場合、肌ケアに必要な薬を無料で提供しています。希望があれば、医師の診察を受けることも可能です。

毛嚢炎ができたとき冷やすのは効果的ですか?

脱毛後にできた毛嚢炎の対処として、冷やすことは効果的です。かゆみを伴った毛嚢炎については、冷却することで改善する効果が期待できるでしょう。次回施術時も脱毛後に毛嚢炎ができる可能性はありますが、脱毛回数を重ねることで症状は弱くなっていく場合も。施術先の医師やスタッフと相談しながら、脱毛を進めていきましょう。
そのほか、毛嚢炎以外に脱毛後に出現した、赤み・かゆみ・腫れといった肌トラブルについても、冷やすことが症状の改善に有効です。それでも症状が落ち着かない場合は、速やかに医療機関を受診してください。

毛嚢炎は脱毛後どのくらいでできますか?

毛嚢炎がいつできるか気になる方も多いでしょう。毛嚢炎は、脱毛後翌日から数日後に発症することがほとんどです。
まれですが、脱毛から1週間以上経った頃に毛嚢炎になることもあります。

毛嚢炎の症状がひどいと脱毛を受けられないですか?

炎症がひどい場合や広範囲にわたって毛嚢炎を発症している場合は、脱毛できない可能性があります。「予約を取ったのに脱毛できなかった…」とならないためにも、毛嚢炎に気づいた段階で早めに治療を行いましょう。

【まとめ】毛嚢炎ができたときは自己判断せず医師に相談しよう

脱毛後にニキビのような発疹ができた場合は、毛嚢炎の可能性があります。通常は1週間ほどで自然に治りますが、中には毛嚢炎ではない別の原因が隠れていることも。
自己判断で市販薬を使用すると悪化してしまうケースもあるため、早く治すためには医師に相談することをおすすめします。適切な治療を受けて、ムダ毛も肌荒れもない肌を手に入れましょう。

このコラムの監修者
伊原 亮
伊原 亮
一般社団法人 美星会
アステリアクリニック院長
【医師の経歴】
2014年3月 慶應義塾大学 医学部 卒業
2014年4月 東京都内の病院にて初期臨床研修
2016年4月 都内大手美容皮膚科にて勤務
2016年11月 都内大手美容皮膚科院長就任
2021年11月 アステリアクリニック札幌院 院長就任