医療機関で処方されるダイエット医療薬の効果は?種類や注意点を紹介
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楽して痩せたい、自分の意志で食事制限をするのは難しいといった人から支持を得ているのが、医療機関で処方されるダイエット医療薬です。しかし医療薬にはさまざまな種類があるため、どれが自分に向いているのかわからず、お悩みの方も多いでしょう。ダイエット医療薬は医師の診察を受け、医師の判断で処方されるものではありますが、薬の性質を自分でも理解しておくことは大切です。今回は、ダイエットで用いられる医療薬の種類や効果、注意点などを詳しく解説します。
![辻井 鴻](https://asteria-clinic.jp/wp-app/wp-content/uploads/2024/06/image_2024.jpg)
アステリアクリニック院長
当院の医療ダイエットをご紹介
目次
医療機関で処方される主なダイエット医療薬
医療機関で処方される主なダイエット医療薬には、大きく分けて5つの種類があります。
医療薬の種類 | 特徴 | はたらき | 主な薬(一般名) | 主な薬(一般名) |
---|---|---|---|---|
GLP-1受容体作動薬 | 口から服用するタイプと、自分で注射して皮下に投与するタイプがある単独なら低血糖のリスクが低い | 血糖値が上昇しにくくする食欲中枢にはたらきかけ、食欲の抑制する胃の内容物の排出を遅らせ、満腹感を持続させる | チルゼパチド(※GIP/GLP-1受容体作動薬) | マンジャロ |
セマグルチド | リベルサスウゴービオゼンピック | |||
リラグルチド | ビクトーザサクセンダ | |||
SGLT2阻害剤 | 糖尿病の方以外に対する体重減少効果は明らかになっていない体内の余分な水分を排出させ、むくみを抑制する | 排尿を通じて余分な糖の排泄を促進する摂取カロリーの増加や血糖値の上昇を抑える | カナグリフロジン | カナグル |
ダパグリフロジン | フォシーガ | |||
膵リパーゼ阻害薬(脂肪吸収抑制剤) | 強い副作用がない代わりに、効果はゆるやか内臓脂肪の蓄積予防につながる | 脂肪の吸収を阻害する摂取カロリーの増加を抑える | オルリスタット | ゼニカルアライオルリファスト |
ビグアナイド薬 | 単独なら低血糖のリスクは低いが、体重減少への効果は限定的 | 糖の生成を抑制し、食欲を低下させる | メトホルミン | メトグルコ |
食欲抑制剤 | 服用を続けるうちに耐性ができて、食欲を抑えにくくなるケースがある | 食欲を抑制するエネルギーの消費を促進させる | マジンドール | サノレックス |
①GLP-1受容体作動薬
GLP-1受容体作動薬とは、GLP-1というホルモンと似たようなはらたきをする薬です。GLP-1はインスリンの分泌を促すことで、血糖値を下げます。血糖値を下げる効果は血糖値が高くなったときにあらわれるため、低血糖の副作用が出にくいです。
また食欲中枢へはたらいて食欲を減らしたり、胃の内容物が排出される速度を遅くして満腹感が続きやすいようにしたりするはたらきもあります。食欲が自然と落ち着ていくため、自分の意志だけで食事制限をするのが難しい方にも向いている薬です。
注射型のGLP-1受容体作動薬は、お腹や太もも、上腕などに自分で注射して投与します。細い針が使用されているため痛みは少ないものの、注射が苦手な方や、手間をかけられない方には不向きでしょう。
【商品名】マンジャロ【一般名】チルゼパチド(tirzepatide)
マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は、2023年から販売された比較的新しい薬で、週に1回注射するタイプのGIP/GLP-1受容体作動薬です。GLP-1とGIP(グルコース依存性インスリン促進物質)としてのはたらきも持ち、グルカゴンの分泌も促します。
オゼンピック(一般名:セマグルチド)よりもマンジャロ(一般名:チルゼパチド)のほうが体重減少の効果が高いとされています。
GIPはインスリン分泌を促して血糖値を下げるはたらきがあります。またグルカゴンは血糖値を上げるホルモンだといわれていますが、同時にインスリンの分泌量も増加させます。その作用は多彩で、脂肪分解を促進したり、腸の運動を抑制したりするような作用もあります。
有効成分 | チルゼパチド |
用法用量 | 1週間に1回の皮下注射(同じ曜日で投与)徐々に薬剤の量を増やして投与、様子を見ながら増量を判断 |
副作用 | 下痢・便秘・気持ち悪さ・嘔吐・腹痛・消化不良・心拍数の増加・血圧の低下 |
【商品名】リベルサス、ウゴービ、オゼンピック【一般名】セマグルチド(Semaglutide)
セマグルチドという成分は、リラグルチドよりも体重減少効果が高い(※)といわれています。成分が代謝されるまでの時間が長いため、皮下投与であれば週に1回の注射で済みます。毎日注射する必要がなく手間を減らせますが、打ち忘れには注意が必要です。
ウゴービ(一般名:セマグルチド)、オゼンピック(一般名:セマグルチド)は注射によって投与する薬剤です。2つの違いは、保険適用時の治療対象が「肥満症」なのか「2型糖尿病」なのかというところにあります。保険適用については記事の後半でも解説しますので、あわせてご覧ください。
リベルサス(一般名:セマグルチド)は錠剤タイプの薬剤で、経口摂取が可能です。注射と異なり場所を選びませんが、飲み方に気を付ける必要があります。
※皮下注射による比較です
有効成分 | セマグルチド | ||
商品名 | リベルサス(一般名:セマグルチド) | ウゴービ(一般名:セマグルチド) | オゼンピック(一般名:セマグルチド) |
用法用量 | 1日に1回の服用その日初めて口にする食事・飲水の30分前に、空腹の状態で服用する※服用後30分は他の薬の服用や、飲食を避ける徐々に薬剤の量を増やし、様子を見ながら増量を判断 | 1週間に1回の皮下注射(同じ曜日で投与)徐々に薬剤の量を増やして投与、様子を見ながら増量を判断 | 1週間に1回の皮下注射(同じ曜日で投与)徐々に薬剤の量を増やして投与、様子を見ながら増量を判断 |
副作用 | 下痢・気持ち悪さ・嘔吐・腹痛・急性膵炎・めまい・味覚異常 | 頭痛・便秘・消化不良・げっぷ・お腹の張り・気持ち悪さ・嘔吐・腹痛 | 下痢・便秘・気持ち悪さ・嘔吐・腹痛・胃腸炎・めまい・お腹の不快感・リパーゼの増加 |
【商品名】ビクトーザ、サクセンダ【一般名】リラグルチド(Liraglutide)
ビクトーザ(一般名:リラグルチド)は、注射型のGLP-1受容体作動薬です。日本で初めて発売されたGLP-1受容体作動薬でもあります。GLP-1受容体作動薬の中では減量効果が穏やかです。
サクセンダ(一般名:リラグルチド)は投与できる薬剤の最大量は多いですが、厚生労働省の承認がない薬です。ビクトーザ(一般名:リラグルチド)は調整しやすい量になっていて、2型糖尿病の治療薬として厚生労働省の承認があります。
副作用のあらわれ方や、効果のあらわれ方によって投与量を調節できるため、個人の体質に合わせやすい薬です。経口薬と異なり、個人の代謝能力で効果を左右されることが少ないといわれています。
デンマーク・コペンハーゲン大学の研究者の試験によると、カロリーを抑えた食事による減量を行ったあと、さらに1年間、運動とリラグルチドを併用した場合、運動のみでダイエットを行った場合よりも体重減少の維持に効果があることがわかっています。減量後のリバウンドもしにくく、長期的に体重を維持しやすいでしょう。
有効成分 | リラグルチド | |
商品名 | ビクトーザ(一般名:リラグルチド) | サクセンダ(一般名:リラグルチド) |
用法用量 | 1日に1回の皮下注射(朝または夕、決まった時刻で投与)徐々に薬剤の量を増やして投与、様子を見ながら増量を判断 | 1日に1回の皮下注射(朝または夕、決まった時刻で投与)徐々に薬剤の量を増やして投与、様子を見ながら増量を判断 |
副作用 | 便秘・気持ち悪さ・腹痛・胃腸炎・貧血・甲状腺の腫れ・めまい・光や音などに鈍くなる | 下痢・便秘・消化不良・気持ち悪さ・嘔吐・腹痛・倦怠感・めまい・味覚障害・低血糖 |
②SGLT2阻害剤
SGLT2阻害剤は、尿中への糖の排泄を増やす薬です。主な特徴は、以下の通りです。
- 尿中の糖の量を増やして排出することで血糖値を下げる
- 1日あたり約200~400kcal分の糖を排泄できると考えられている
- 単剤では低血糖を起こすリスクが少ない
SGLT2とは、原尿から糖の再吸収を行うために必要なたんぱく質のことです。SGLT2を阻害すると糖が原尿から血液中に戻りにくくなり、尿中に排泄される糖の量が増えるという仕組みになっています。
一方で、尿量が増え、トイレが近くなったり、飲水量が少ないと脱水になったりしやすい薬でもあります。尿に含まれる糖が増えるので、膀胱炎などの尿路感染症のリスクが上昇するともいわれています。
【商品名】カナグル【一般名】カナグリフロジン(Canagliflozin)
カナグル(一般名:カナグリフロジン)は服用のタイミングが限定されるため少し使いにくいです。しかし次に紹介するフォシーガ(一般名:ダパグリフロジン)よりも、体重減少に効果があるといわれています。
有効成分 | カナグリフロジン |
用法用量 | 1日に1回(朝食前または朝食後) |
副作用 | 脱水症状・口の中の渇き・膀胱炎・頻尿・腎盂腎炎・血圧低下・低血糖 |
【商品名】フォシーガ【一般名】ダパグリフロジン(Dapagliflozin)
フォシーガ(一般名:ダパグリフロジン)は、2014年に処方できるようになったSGLT2阻害剤です。エビデンスが豊富で、特定の疾患を持つ方の治療薬としても処方されています。
GLP-1受容体作動薬と比較すると体重減少の効果は穏やかですが、同じ食事量のまま吸収される糖質が減るので使いやすい薬です。カナグル(一般名:カナグリフロジン)とは異なり、服用のタイミングが朝食に限定されない点も使いやすさにつながっています。
一方、他のSGLT2阻害剤と比較すると、性器の感染症になりやすい可能性があります。
有効成分 | ダパグリフロジン |
用法用量 | 1日に1回 |
副作用 | 下痢・便秘・性器の感染症・膀胱炎・体液量の減少・頻尿・ケトーシス(血液中のケトン体が増加すること)・多飲症 |
③膵リパーゼ阻害薬(脂肪吸収抑制剤)
膵リパーゼ阻害薬とは、脂肪の吸収を抑えることでダイエット効果を発揮する薬です。肥満症の治療薬として開発されました。食物に含まれている脂肪(トリグリセリド)は、リパーゼという酵素がはたらかなければ分解されません。分解できなかった脂肪は吸収もできないため、排便を通じて排出されます。
主な特徴は、以下の通りです。
- 食事から摂取した脂質の約30%を排出する
- 服用から2~3週間ほどで体重の減少効果が期待できる
脂質に特化して吸収を阻害するため、脂質の少ない食事をしたときに服用しても効果は限定的です。
【商品名】ゼニカル、アライ(lli)、オルリファスト【一般名】オルリスタット(Orlistat)
ゼニカル(一般名:オルリスタット)とオルリファスト(一般名:オルリスタット)は、医療機関での処方が必要な薬です。一方、アライ(一般名:オルリスタット)は、内臓脂肪を減少させる市販薬(※)として日本で初めて販売された薬です。
オルリファスト(一般名:オルリスタット)はゼニカル(一般名:オルリスタット)のジェネリック医薬品であり、効果に大差はありません。アライ(一般名:オルリスタット)は市販されている薬なので、オルリスタットの含有量がゼニカル(一般名:オルリスタット)の半分となっています。市販で入手できる分、安全性を考慮したつくりになっていて、処方薬よりはゆるやかな効果です。
服用するだけで脂質をカットできますが、下痢や腹痛の副作用が報告されていることには注意が必要です。とくに下痢は多くの人で見られ、油の混ざった便が出て下着が汚れることもあります。生理用ナプキンや介護用おむつなどを使用して服用すると、漏れたときも安心です。
※要指導医薬品:薬剤師と対面で説明を受けないと購入できない
有効成分 | オルリスタット | ||
商品名 | ゼニカル(一般名:オルリスタット) | アライ(一般名:オルリスタット) | オルリファスト(一般名:オルリスタット) |
用法用量 | 1日に3回食事中または食後1時間以内に服用 | ||
副作用 | 下痢・腹痛・油漏れ・おなら・脂っぽい便・脂肪便・排便頻度の増加・便意・脂溶性ビタミン不足 |
④ビグアナイド薬:【商品名】メトグルコ 【一般名】メトホルミン
メトグルコ(一般名:メトホルミン)は、ビグアナイド薬の一種です。インスリンの効き目をよくして、血糖値を下げるはたらきがあります。インスリンそのものを増やす効果はないため、単剤での使用であれば、低血糖の副作用があらわれにくいといわれています。
主な特徴は、次のとおりです。
- インスリンの感受性を高め、糖の生成を抑制して血糖値を下げる
- 骨格筋や脂肪が糖を取り込むのを助ける
- GLP-1の分泌量が増え、胃の中に食べ物が残るように調整して満腹感を持続させる
- 便中への糖の排泄を増やす
糖の生成を抑制するだけでなく、身体の組織が糖を取り込むことを助け、血中の糖濃度を下げるはたらきがあります。その他にも、GLP-1を増やす作用や、便中への糖の排泄を増やす効果もあります。
有効成分 | メトホルミン |
用法用量 | 1日に2~3回(食事の直前または食後に服用) |
副作用 | 下痢・便秘・気持ち悪さ・嘔吐・胃炎・腹痛・消化不良・お腹の張り・乳酸上昇・空腹感 |
⑤食欲抑制剤:【商品名】サノレックス【一般名】マジンドール(Mazindol)
サノレックス(一般名:マジンドール)は、食欲中枢などにはたらきかけることで食欲を抑制したり、消化吸収を抑制したり、エネルギーの消費を助けたりする薬です。保険診療では肥満度が+70%以上の人、BMIが35以上の人しか使用できません。
覚醒作用があるとされ、続けて使用できる期間は3ヶ月までです。また、1ヶ月以内に効果が出なかった場合は、服用を中止する必要があります。継続して服用すると精神的に依存してしまったり、耐性ができてしまったりするため、医師の指導にしたがって適切に服用するよう、とくに注意が必要です。
肥満症の日本人を対象に、マジンドールを主成分とする薬を用いた試験では、14週間にわたり投与を続けたところ、平均で4.6kg体重の減少があったとの結果が報告されています。
有効成分 | マジンドール |
用法用量 | 1日に1回(昼食前)2~3回に分けて3錠まで服用するケースもある※睡眠障害の恐れがあるため、夕方以降の服用は避ける必要がある |
特徴 | 口内の渇き・頭痛・睡眠障害・脱力感・めまい・だるさ・ふらつき・いらつき・眠気・気持ち悪さ・便秘 |
保険適用で処方される薬:サノレックス・ウゴービ
ここまでに紹介した薬の多くは、もともと糖尿病などを治療するために開発されたものでした。医療機関で減量を目的として治療を受ける場合、基本的には自費診療となります。
しかし、肥満症に該当する方は、ウゴービ(一般名:セマグルチド)とサノレックス(一般名:マジンドール)による治療を保険適用で受けられる可能性があります。ウゴービ(一般名:セマグルチド)はとくに新しい薬で、2024年の4月から保険適用となりました。サノレックス(一般名:マジンドール)以外で肥満症に対して保険適用になる薬は初めてで、大きな話題を呼んだことから聞き覚えがある方もいるかもしれません。
肥満症とは「太っている人」のことではなく、高血圧や脂肪肝などの合併症を持っていたり、合併症のリスクが高かったりして、治療として減量が必要な人のことを指します。
肥満症の定義:
(BMI25以上)+(合併症を1つ以上持っている or 内臓脂肪型肥満※)
※腹囲 男性85cm~ 女性90cm~
ダイエットサプリの効果
ダイエットをサポートするアイテムには、ダイエットサプリもあります。サプリは食品と同じ扱いなので、医薬品のように痩せる効果はありません。
ダイエットサプリだけで体重を減らすことは難しいですが、次のようなサポートを期待できます
- エネルギーの消費や代謝のサポート
- 糖質や脂質の吸収を抑制するサポート
- 栄養不足を補う
- 食べ過ぎの予防をサポートする
少しでも効率よく減量したい人の味方になってくれることでしょう。ただし、医師の処方を受けて服用している薬がある方は、飲み合わせに気を付けなければならないケースもあります。治療を受けている方は、医師に相談して活用してください。
ダイエットサプリの成分
ダイエットサプリの成分には、主に次のようなものがあります。目的に合わせて、自分に合ったものを選びましょう。
栄養補給が目的の場合は、最初からサプリメントを使用するのではなく、バランスの整った食事を第一目標としてください。それでも改善が難しい場合に、足りない栄養素を補完するような形で活用しましょう。偏った食事は、ダイエットの天敵です。
L-カルニチンカフェインコエンザイムQ10 | 脂肪の燃焼を助け、エネルギーの消費をサポートをするはたらきがある |
ビタミンB群 | 糖や脂質をエネルギーに変えるときに必要な栄養素 |
茶カテキン | ポリフェノールの一種で、脂肪の代謝をサポートするはたらきがある |
キトサン | 脂肪の吸収を抑えて体脂肪の蓄積を防ぐはたらきが期待できる |
ギムネマ | インドのハーブで、甘みを感じにくくさせるはたらきがある |
ダイエットの医療薬と市販ダイエットサプリのメリット・デメリット
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ダイエット医療薬と市販のダイエットサプリには、下記のようにそれぞれメリットとデメリットがあります。
医療薬 | サプリ | |
---|---|---|
メリット | 食欲抑制したり脂肪燃焼を促進したりするはたらきがある体重減少効果が証明されいているものもある代謝を改善できる医師の指導を受けられる | コストが低いので継続しやすい手軽に入手しやすい不足しがちな栄養素を簡単に補える目的に応じて必要な成分を自分で選べる |
デメリット | 肥満の原因を根本的に解決することはできない(運動や食事制限も必要)副作用が出ることがある費用が高額になる傾向にある通院の手間がある | 痩せる効果は期待できない誤った使用方法を続けると健康被害が出ることがある科学的根拠がないサプリもある長期にわたり使用した場合、安全性が不明なサプリもある |
ダイエット医療薬は、適切な方法で服用を続ければ痩せる効果を期待できますが、通院や継続的な服用で、手間と費用がかかります。サプリメントは薬局やドラッグストアなどで手軽に購入できるものの、痩せる効果はありません。あくまでもダイエットのサポートとして使うようにしましょう。
最近では、通販・個人輸入などを活用して、気軽に医療薬を入手する方も増えています。しかしこれまでにお伝えしたとおり、医療薬は成分が強い分、副作用のリスクもあります。ダイエット医療薬は個人の判断で使用せず、医師の診察を受けて、医師の指導に従って服用するようにしてください。
ダイエット医療薬に関するよくある質問
最後に、ダイエットに使用される医療薬に関する、よくある質問にお答えします。正しい知識を身に付け、自分に合ったダイエットができるようにしましょう。
ダイエット医療薬はどのように選べばいいですか?
ダイエットに使用する医療薬は、ご自身の目標や体質、ライフスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。服用方法や注射の回数、副作用による尿意や便意の増加などは生活にも影響が出ます。継続のためにも、無理なく使用できるものを検討しましょう。
薬によって期待できる効果も違うため、医療薬を使用したい人は医師に相談して適切なものを処方してもらうようにしてください。
ダイエット医療薬は誰でも使えますか?
ダイエット医療薬は、すでに痩せている方が服用すると、体調不良や健康被害につながる恐れがあります。医学的に「痩せすぎ」とされるBMI18.5未満の方は、内服薬ではなく、部分痩せが可能な医療機器によるダイエットを検討してみるのも一つの手です。
また特定の疾患を持つ方も、医療薬の禁忌に該当すると使用できません。たとえばGLP-1受容体作動薬のリザルベス(一般名:セマグルチド)は、1型糖尿病の人や重症感染症がある人は服用できません。こうした禁忌は薬によって異なります。医師の診察を受け、よく相談して使用しましょう。
ダイエット医療薬だけで痩せられますか?
これまでに説明してきたとおり、ダイエット医療薬は食欲を抑制したり、吸収を阻害したりするものです。医療薬を使用しても、暴飲暴食を続けていたりまったく運動をしなかったりすれば、十分な効果があらわれません。
医療薬を服用しているから大丈夫だと過信せず、「医療薬を服用するから、この機会に食生活も見直そう」と、生活習慣も改めることが大切です。実際にリラグルチドを主成分とする薬を使用した、デンマーク・コペンハーゲン大学の研究者による調査では、「ただ服用しただけの人よりも、運動と併用した人のほうが減量効果を維持できる」という結果が報告されています。
ダイエット医療薬は市販薬やサプリメントと何が違いますか?
ダイエット用の医療薬と市販薬やサプリメントには、使用できる成分や、その量に違いがあります。成分や量が異なるので、当然ながら効果や副作用も異なります。
たとえば本記事でも紹介したアライ(一般名:オルリスタット)には、ゼニカル(一般名:オルリスタット)の半量しかオルリスタットが含まれません。
まとめ
医療機関で処方されるダイエット医療薬には、さまざまな種類があります。一般的なものは、次の通りです。
- GLP-1受容体作動薬
- SGLT2阻害剤
- 膵リパーゼ阻害薬(脂肪吸収抑制剤)
- ビグアナイド薬
- 食欲抑制剤
ご自身の体重や生活に合わせて、適切なものを使用することが大切です。医療薬でのダイエットを検討している方は、医師とよく相談して検討しましょう。
アステリアクリニックでは、ダイエット医療薬だけでなく、食事指導や医療機器を活用した筋肉量の増加など、さまざまな角度からアプローチが可能なトータルダイエットプランをご用意しています。
薬によるダイエットに興味はあるけれど、何がいいかわからない方や、自分の意志だけでダイエットをしようとして挫折してしまった経験がある方など、どのようなお悩みでもサポートできます。まずはアステリアクリニックのカウンセリングまでお越しください。
![辻井 鴻](https://asteria-clinic.jp/wp-app/wp-content/uploads/2024/06/image_2024.jpg)
アステリアクリニック院長